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アレルギーと花粉症


最近花粉症の患者様が急増しています。スギ花粉の飛散は毎年3月から5月頃にピークを迎えます。今年は例年以上に多いようですので注意してください。

花粉症は季節性アレルギー疾患の一つです。花粉が抗原となり身体が反応してアレルギーが起こります。ではアレルギーって何?

アレルギ-反応は作用機序の違いによりⅠ型からⅣ型に分類されます。

アレルギーは花粉症だけでなく様々な疾患の原因になっています。

Ⅰ型アレルギー(即時型)

1)作用機序

 抗原抗体反応がおこりヒスタミン等が分泌され、アレルギー症状が発現します。

2)代表的疾患

 a)気管支喘息

 b)アレルギー性鼻炎(花粉症含む)

 c)蕁麻疹

 d)アトピー性皮膚炎(Ⅳ型の要素も含む)

  皮膚バリアの低下、体質により炎症が長い間継続しやすい等の要素がからむ。

Ⅱ型アレルギー(細胞傷害型)

 1)作用機序

  何らかの原因で自分の細胞が抗原として認識されてしまう。

  自分の細胞に対する抗体が産生され自分の細胞が攻撃しまう。

 2)代表的疾患

  a)自己免疫性溶血性貧血

  b)橋本病(甲状腺機能低下症)

  c)バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

Ⅲ型アレルギー(アルサス型)

1)作用機序

 可溶性抗原(体液に溶けている抗原)に対して自分自身で攻撃する。

2)代表的疾患

 a)関節リウマチ

 b)SLE(全身エリトマトーデス)

 その他の膠原病もこの機序が関与していると考えられる。

Ⅳ型アレルギー(遅延型)

1)作用機序

 抗体は関係なく、抗原により細胞が直接刺激されるアレルギー。

抗原に接触することで“感作”された細胞が反応する。

即時型とは違い1日とか2日の時間を要するため遅延型と言われる。

2)代表的疾患

a)アトピー性皮膚炎

抗体が通常より多く刺激しやすい状況となっている。(I型アレルギーが起こりやすい)

さらに皮膚でⅣ型アレルギーが追加され皮膚細胞を傷害する。

b)接触性皮膚炎

花粉症はⅠ型アレルギーで起こります。

一般的な症状は・・・

a) 鼻水、鼻閉

b) 目のかゆみ、充血

c) のどの違和感、咳

d) 蕁麻疹、皮膚のかゆみ

検査

・年中症状が持続する場合はハウスダスト等による通年性アレルギーの可能性があります。

・血液検査で抗原別のアレルギー反応の強さを測定できます。

・Ⅰ型アレルギー検査には血液検査が有効です。

・Ⅳ型アレルギー検査にはパッチテストが有効です(当院では行っておりません)

治療

・マスク、眼鏡、うがい等花粉との接触をなるべく避ける。

抗アレルギー剤(ヒスタミンの分泌抑制)の内服、漢方の併用

・鼻炎には点鼻薬、目のかゆみには点眼薬の追加が効果的です。

・新しい抗アレルギー剤は1日1回で眠気もかなり少なく、非常に使いやすくなっています。

・抗アレルギー剤は効果に個人差が大きいため、効果不十分なら抗アレルギー剤の種類を変更すると効果が上がることがあります。

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